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【野球】巨人 岡本和真

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☆1996・6・30生
☆183a95`
☆右投右打
☆奈良県出身
☆智弁学園高─巨人(14年1位)(*´-`)

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 ONの抜けた直後に入団した原への期待は大きかった。1年目の1981年、原辰徳は2割6分8厘、22本塁打、67打点で新人王に輝き、巨人8年ぶりの日本一に貢献した。2年目の1982年6月4日には初の4番に座る。この年、33本塁打、92打点と成績も上昇。1983年には130試合中107試合で4番を務め、チームを優勝に導き、MVPと打点王に輝いた。
 その年のオフ、王貞治が監督に就任。球団創立50周年を迎える1984年、読売新聞が主催する秋の日米野球では、前年の1983年にワールドシリーズを制覇したボルティモア・オリオールズと1984年の日本シリーズ勝者との対戦日程が組まれた。
 世界のホームラン王が指揮を執る元で、『4番サード・原』が巨人を日本一へ導き、“日米決戦”を制して世界一になる──。フロントやファンはそんな夢を描いていた。原自身も、そんな雰囲気を感じ取っていたようだ。
〈フロントの人たちとか、ジャイアンツファンの人たちとかは、「当然優勝するんだ。それで日米決戦だ」というふうに見てるでしょう。そのへんのプレッシャーは感じるけど、もし、その夢が実現したときの喜びもまた大きいでしょうね〉(週刊読売・1984年3月11日号)

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 王監督も、4年目を迎える原に大きな期待を寄せていた。
〈原にはやはりスーパースターになってもらいたいんだよな。『原が打てないんじゃ誰も打てるはずがない。アイツが捕れないんじゃヒットだよ』とみんなを納得させるような選手になってほしいんだよ〉(Number・1984年4月5日号)
 だが、この年の原は開幕から不調に陥り、チームも勝率5割に届かない状態が続く。
 5月3日の大洋戦では、6対7と1点を追う9回無死一、二塁で打席が回るも、バントのサインが出る。4番・原はプロ初の犠打を成功させるも、球場には微妙な空気が流れた。
〈五万人を飲み込んだ後楽園スタヂアムは、一瞬静まり、そして、ざわめき、落胆、拍手とめまぐるしい変化を見せた〉(スポーツニッポン・1984年5月4日付)
 1年前の5月5日、同じ後楽園球場で阪神の山本和行から逆転サヨナラ本塁打を放った輝きは消えていた。
 5月16日の中日戦では、延長10回裏、2死二塁で3番・篠塚利夫が敬遠され、4番・原と勝負。結果は四球だったが、この日も原はノーヒットでチームも敗戦。翌17日も4打数0安打に終わり、打率は2割4分に下降。打撃30傑から姿を消した。

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 打てない原に、辛辣な見出しが躍る。専門誌である『週刊ベースボール』は映画『E.T.』になぞって、不調の江川卓をE、原をTとして批評。2人合わせて年俸8740万円(推定)の価値に疑問を呈した。
〈巨人のETは8740万円のムダ使いだ! 肩身が狭い? いま、江川と原に注がれる厳しい眼〉(週刊ベースボール1984年5月28日号)
 5月23日、王監督がついに4番からの降格を決断する。原は入団1年目、1981年10月5日のヤクルト戦以来となる6番に据えられた。
 結局その試合は、午後6時20分に雨のため試合中止となったが、翌日の新聞紙上では大きく取り上げられた。王監督は意図をこう話していた。
〈あまりにも頭がこんがらっているようだから、六番で気楽に打たせようということです〉〈巨人の四番というのはものすごい重圧がある。ダメな時にはもっとすごい。原ももがき苦しんでいたと思う〉(スポーツニッポン・1984年5月24日付)
 原はそこまでの直近10試合で40打数7安打、打率1割7分5厘、本塁打0、打点3と精彩を欠いており、得点圏では開幕から44打数10安打、打率2割2分7厘でホームランなし。これでは6番降格もやむを得なかった。本人はこう受け止めていた。

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〈自分のことを思ってやってくれたことでありがたい。四番を取り戻すつもりで、細かいことを考えず、もう一度やりたい〉(スポーツニッポン・1984年5月24日付)
 翌24日、ナイターの阪神戦で3番・中畑、4番・スミス、5番・クロマティ、6番・原の打順が組まれた。すると、原はタイムリーを含む2安打と結果を残す。原と同じく不振に苦しんでいたクロマティが5号ソロを含む猛打賞とハッスルし、江川の完封で阪神を4対0で破った。原はこうコメントしていた。
〈打順は気にしてなかった。チームのムードがよかったし、久びさにうまく低めのボールを打つことが出来たよ〉(日刊スポーツ・1984年5月25日付)
 この日のテレビ中継は視聴率30.4%(ビデオリサーチ調べ/関東地区。以下同)だった。最近の視聴率事情を考えると、2018年に視聴率30%を超えた番組はサッカーW杯とNHK紅白歌合戦、オリンピックしかない。1984年の巨人戦ナイター中継の年間平均視聴率は25.6%。毎試合のように、現代のオリンピック並みに注目されていたのだ。

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 この後も、原は完全復調とならず、何度か4番に復帰したが、定着には至らなかった。それでも、常人には想像し難いプレッシャーの中、130試合にフル出場し、2割7分8厘、27本塁打、81打点という成績を残した。悪い数字とも思えないが、巨人を9連覇に導いた主軸の王貞治、長嶋茂雄の後釜である原辰徳への期待は高く、チームも3位に沈んだため、優勝を逃した戦犯扱いされた。
〈昨年は江川とともに、優勝を逸した原因は原にありといわれた〉(’85プロ野球12球団全選手百科名鑑・1985年3月31日発行)
〈昨年巨人がペナントを逸した“A級戦犯”といわれ、4番打者の座を転がり落ちた〉(GORO ・1985年2月28日号)
 1984年の原は4番復帰までに17試合を要したが、2019年の岡本は4番から降格以降、3戦連続マルチヒットを記録。原監督は「もうビッグベイビーとは言えなくなったね」(スポーツ報知・2019年6月7日付)と話し、7日のロッテ戦で4試合ぶりに4番に復帰させる。この日、岡本は2安打で、翌日はロッテの抑え・益田から本塁打を放つなど、最近6試合で23打数9安打、3割9分1厘、2本塁打、5打点と絶好調だ(記録は6月9日現在)。

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 原辰徳は引退試合で『聖域』と表現した巨人の4番の苦しみも、喜びも知っている。当時と今を単純には比較できないが、重責を担った者にしかわからないことがある。
 原監督は4番を任された岡本の心情を慮ることで、復調の手助けをした。誰よりも重圧を知る原辰徳との二人三脚で、岡本和真は不動の4番に成長するはずだ。

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 1点を追う4回1死一、二塁で遊ゴロ併殺打に倒れるなど4打数無安打。「そういう時もある」と切り替え、次戦を見据えた。

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 初回、巨人は丸のエラーで先制点を奪われた。山川の中前への打球をうまく処理できず、一塁走者・源田の生還を許した。丸は定位置よりやや後ろで守り、前へ突っ込んだ際に、少しはじいた。走者を三塁で止めるべく、積極的にプレーした結果、起こったミスだ。西武は山川、中村、メヒア以外は走れる選手ばかり。走力を気にして多少のあせりが出たのかもしれないが、決して緩慢なプレーをしたわけではない。丸を責めるわけにはいかないだろう。
 あの場面、むしろ打席の山川がさすがだった。立ち上がりが不安定な今村を相手に、ボールをきちんと見極めてフルカウントまで持っていった。2死だったから、源田は自動スタートとなった。打つべき球がくるまで待つ山川の「粘り」が、源田の走力を生かせる状況をつくり、丸のエラーを呼び込んだという見方もできる。
 対照的に岡本は4回1死一、二塁のチャンスで初球を併殺打。7回無死一塁では2球目を左飛。実戦的なデータが少ない佐野、マーティンが相手。早いカウントで打ちにいくのが全て悪いとは言わないが、甘いボールは必ずくるものだ。何でも手を出すのではなく、打つべき球がくるまで「待つ勇気」も持ってほしい。

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 その佐野とマーティンに思っていた以上の球威があった。一番の敗因はわずか3安打に終わった打線全体にあるが、4番の差も勝敗を分けたカード初戦だったと思う。

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 11日に放送された『ニッポン放送ショウアップナイター 西武−巨人戦』で解説を務めた野村克也氏が、4回の巨人・岡本和真の遊ゴロ併殺打について言及した。
 巨人は0−1の4回、一死走者なしから坂本勇人の四球、丸佳浩の安打で一、二塁のチャンスを作ったが、4番の岡本和真は西武先発・佐野泰雄が投じた初球のチェンジアップに手を出し、最悪のダブルプレーに倒れた。
 この打撃に野村氏は「大不満ですよ。今日に限ったことじゃないけど、岡本のプレーを見ていると、野球とはどういうスポーツか聞いて見たい。頭のスポーツじゃないのかと。何にも考えていない。来た球を打つという。(ボールが)来たから打ったらショートゴロ。ランナーが一塁だとか、何も考えずにバッターボックスに打っているからこういう結果になるんですよ」とボヤいた。
 それでも野村氏は、「岡本には毎日反省野球。マンツーマンでいいからやってみたい」と岡本を指導してみたいと話していた。

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