モバゲー痛い人晒そう!-40
統合失調症患者の生命予後は一般人口よりも 10-20 年程度短い。抗精神病薬投与を受けている統合失調症患者では寿命が長いことが示されている一方で,ベンゾジアゼピン受容体作動薬投与,抗精神病薬高用量投与などは短い寿命との関連が報告されている。また,統合失調症患者では突然死の頻度も高く,窒息,肺塞栓,不整脈,急性冠症候群などが原因と考えられている。これらの突然死の原因は統合失調症という疾患自体と関係している部分も多いが,抗精神病薬の副作用,鎮静作用,拘束といった治療介入とも関連している。精神科臨床の中では“死亡リスク”よりも“精神症状の改善”が重視されることが多く,多剤大量投与もこの視点から“やむを得ないこと”と認識されることが少なくない。しかし,“死亡”は医療において最も重要なアウトカムなのである。統合失調症患者における死亡リスクの問題を解決するためには,まず精神科医自身が死亡リスクを上昇させないような精神科治療を意識し,実践することが最も重要である。