福田君の政権をつくるのには、いちばん時期も条件もよい……そういっておいた」

「それで、総理の反応は、どうでした？」
「うむ。栄作も承知しとるようだ。自分も考えている。福田君にわるいようにはせん……といっとった」
安倍も安心したようにうなずいた。安倍は、岳父である岸とともに福田派の一人である。副幹事長、国対副委員長などをつとめる中堅代議士だ。
毎日新聞の政治記者出身だが、記者特有のあくの強さや強引さがなく、温厚なところが評判がいい。

岸は、さらに言葉を継いだ。
「この基本的なことが、びしっと決まっていさえすれば、あとはそう問題はない」
政局の前途を、岸はひどく楽観していた。
「ニクソン・ショック、日中問題と、いろいろ騒いでいるが、おれがニクソンに会えば消えてなくなるさ……」

こんどの岸渡米は、岸、佐藤、福田が話し合って決めたことである。
ニクソンが訪中して周恩来に会うとき、ニクソンに「日中の国交正常化をはかるように」といわせ、日中打開を斡旋してもらうことを依頼する― これが第一の目的であった。
第二の目的は、ニクソンが訪中したあと、日本に立ち寄るように要請することであった。

福田君の政権をつくるのには、いちばん時期も条件もよい……そういっておいた」

「それで、総理の反応は、どうでした？」
「うむ。栄作も承知しとるようだ。自分も考えている。福田君にわるいようにはせん……といっとった」
安倍も安心したようにうなずいた。安倍は、岳父である岸とともに福田派の一人である。副幹事長、国対副委員長などをつとめる中堅代議士だ。
毎日新聞の政治記者出身だが、記者特有のあくの強さや強引さがなく、温厚なところが評判がいい。

岸は、さらに言葉を継いだ。
「この基本的なことが、びしっと決まっていさえすれば、あとはそう問題はない」
政局の前途を、岸はひどく楽観していた。
「ニクソン・ショック、日中問題と、いろいろ騒いでいるが、おれがニクソンに会えば消えてなくなるさ……」

こんどの岸渡米は、岸、佐藤、福田が話し合って決めたことである。
ニクソンが訪中して周恩来に会うとき、ニクソンに「日中の国交正常化をはかるように」といわせ、日中打開を斡旋してもらうことを依頼する― これが第一の目的であった。
第二の目的は、ニクソンが訪中したあと、日本に立ち寄るように要請することであった。

潮止まりやまあ煮付けぐらいにはなるやろ 後2時間やな(白・ω・鳩)下げ3までや

ネコ太可愛いな(白・ω・鳩)モフモフやっか

それを説明したあとで、岸はいっそうにこやかになった。
「この話がつけば……日中打開を急げなどという声も弱まるだろう。慌てんでアメリカの斡旋を待て、ということになる。それにニクソンが日本に寄るとなれば、日本はアメリカに軽視されているとか、そんな声もぴたりと止む。国連総会で逆重要事項指定決議案が成立すれば、台湾と北京と、二つの中国が認められることになる。すべてスムーズにいく……」

「兄貴はつまらんことをいい過ぎる」
佐藤首相は露骨な怒りを示した。院内の総理大臣室に届けられた外務省公電に目をとおすなり、佐藤は岸非難の言葉を口にした。
公電には― 10月22日に行なわれた岸・ニクソン会談の結論がしるされてあった。
「岸氏が日中間斡旋を要望したのに対して、ニクソンは “それは米中間の関係が確定するまで留保したい” と答えた。また北京の帰途、日本に立ち寄ることの要請に対しては、ニクソンは “スケジュールの上からむつかしい” との意を表明した……」
佐藤、福田が意図し、岸が期待をつないでいた二つのことは、ともに態よくニクソンに拒否されてしまったわけである。それが佐藤を不機嫌におとしいれていた。

それを説明したあとで、岸はいっそうにこやかになった。
「この話がつけば……日中打開を急げなどという声も弱まるだろう。慌てんでアメリカの斡旋を待て、ということになる。それにニクソンが日本に寄るとなれば、日本はアメリカに軽視されているとか、そんな声もぴたりと止む。国連総会で逆重要事項指定決議案が成立すれば、台湾と北京と、二つの中国が認められることになる。すべてスムーズにいく……」

「兄貴はつまらんことをいい過ぎる」
佐藤首相は露骨な怒りを示した。院内の総理大臣室に届けられた外務省公電に目をとおすなり、佐藤は岸非難の言葉を口にした。
公電には― 10月22日に行なわれた岸・ニクソン会談の結論がしるされてあった。
「岸氏が日中間斡旋を要望したのに対して、ニクソンは “それは米中間の関係が確定するまで留保したい” と答えた。また北京の帰途、日本に立ち寄ることの要請に対しては、ニクソンは “スケジュールの上からむつかしい” との意を表明した……」
佐藤、福田が意図し、岸が期待をつないでいた二つのことは、ともに態よくニクソンに拒否されてしまったわけである。それが佐藤を不機嫌におとしいれていた。

それを説明したあとで、岸はいっそうにこやかになった。
「この話がつけば……日中打開を急げなどという声も弱まるだろう。
慌てんでアメリカの斡旋を待て、ということになる。それにニクソンが日本に寄るとなれば、日本はアメリカに軽視されているとか、そんな声もぴたりと止む。国連総会で逆重要事項指定決議案が成立すれば、台湾と北京と、二つの中国が認められることになる。すべてスムーズにいく……」

「兄貴はつまらんことをいい過ぎる」
佐藤首相は露骨な怒りを示した。院内の総理大臣室に届けられた外務省公電に目をとおすなり、佐藤は岸非難の言葉を口にした。
公電には― 10月22日に行なわれた岸・ニクソン会談の結論がしるされてあった。
「岸氏が日中間斡旋を要望したのに対して、ニクソンは “それは米中間の関係が確定するまで留保したい” と答えた。また北京の帰途、日本に立ち寄ることの要請に対しては、ニクソンは “スケジュールの上からむつかしい” との意を表明した……」
佐藤、福田が意図し、岸が期待をつないでいた二つのことは、ともに態よくニクソンに拒否されてしまったわけである。それが佐藤を不機嫌におとしいれていた。

それを説明したあとで、岸はいっそうにこやかになった。
「この話がつけば……日中打開を急げなどという声も弱まるだろう。
慌てんでアメリカの斡旋を待て、ということになる。それにニクソンが日本に寄るとなれば、日本はアメリカに軽視されているとか、そんな声もぴたりと止む。国連総会で逆重要事項指定決議案が成立すれば、台湾と北京と、二つの中国が認められることになる。すべてスムーズにいく……」

「兄貴はつまらんことをいい過ぎる」
佐藤首相は露骨な怒りを示した。院内の総理大臣室に届けられた外務省公電に目をとおすなり、佐藤は岸非難の言葉を口にした。
公電には― 10月22日に行なわれた岸・ニクソン会談の結論がしるされてあった。
「岸氏が日中間斡旋を要望したのに対して、ニクソンは “それは米中間の関係が確定するまで留保したい” と答えた。また北京の帰途、日本に立ち寄ることの要請に対しては、ニクソンは “スケジュールの上からむつかしい” との意を表明した……」
佐藤、福田が意図し、岸が期待をつないでいた二つのことは、ともに態よくニクソンに拒否されてしまったわけである。それが佐藤を不機嫌におとしいれていた。

それを説明したあとで、岸はいっそうにこやかになった。
「この話がつけば……日中打開を急げなどという声も弱まるだろう。
慌てんでアメリカの斡旋を待て、ということになる。
それにニクソンが日本に寄るとなれば、日本はアメリカに軽視されているとか、そんな声もぴたりと止む。国連総会で逆重要事項指定決議案が成立すれば、台湾と北京と、二つの中国が認められることになる。すべてスムーズにいく……」

「兄貴はつまらんことをいい過ぎる」
佐藤首相は露骨な怒りを示した。院内の総理大臣室に届けられた外務省公電に目をとおすなり、佐藤は岸非難の言葉を口にした。
公電には― 10月22日に行なわれた岸・ニクソン会談の結論がしるされてあった。
「岸氏が日中間斡旋を要望したのに対して、ニクソンは “それは米中間の関係が確定するまで留保したい” と答えた。また北京の帰途、日本に立ち寄ることの要請に対しては、ニクソンは “スケジュールの上からむつかしい” との意を表明した……」
佐藤、福田が意図し、岸が期待をつないでいた二つのことは、ともに態よくニクソンに拒否されてしまったわけである。それが佐藤を不機嫌におとしいれていた。

それを説明したあとで、岸はいっそうにこやかになった。
「この話がつけば……日中打開を急げなどという声も弱まるだろう。
慌てんでアメリカの斡旋を待て、ということになる。
それにニクソンが日本に寄るとなれば、日本はアメリカに軽視されているとか、そんな声もぴたりと止む。国連総会で逆重要事項指定決議案が成立すれば、台湾と北京と、二つの中国が認められることになる。すべてスムーズにいく……」

「兄貴はつまらんことをいい過ぎる」
佐藤首相は露骨な怒りを示した。院内の総理大臣室に届けられた外務省公電に目をとおすなり、佐藤は岸非難の言葉を口にした。
公電には― 10月22日に行なわれた岸・ニクソン会談の結論がしるされてあった。
「岸氏が日中間斡旋を要望したのに対して、ニクソンは “それは米中間の関係が確定するまで留保したい” と答えた。また北京の帰途、日本に立ち寄ることの要請に対しては、ニクソンは “スケジュールの上からむつかしい” との意を表明した……」
佐藤、福田が意図し、岸が期待をつないでいた二つのことは、ともに態よくニクソンに拒否されてしまったわけである。それが佐藤を不機嫌におとしいれていた。